最近ポリフェノールという言葉をよく耳にする。
ちょっと調べてみると、ポリフエノールといっても幾つか有り、その内「抗酸化性ポリフエノール」は主としてフラボノイド及びタンニンである。
フラボノイド類は多くの薬用植物や柑橘類などの果物,緑黄色野菜などに多く含まれている黄色色素で、抗酸化作用のほか、毛細血管強化作用、抗炎症作用などの機能をもつものが知られている。
赤ワインやブルーべりーなどの抗酸化性色素のアントシア二ジンはこの一種である。
タンニンは一般に「渋み成分」であり、下痢止め、胃炎、便秘などの消化管系疾患など有効で、世界各地で伝承されてきた薬用植物の多くに含まれている。ゲンノショウコ、ザクロ、ビワ、メグスリノキなど、又漢方薬として繁用される、芍薬、牡丹皮、大黄、桂皮などはタンニン含有生薬である。
また、柿、桃、ブドウ、リンゴ、カカオ、シソ、ローズマリー、緑茶、ウーロン茶、紅茶、赤ワイン、ビールなどもタンニン性素材である。最近ではさらにいろいろな働きが解明されつつある。前述の抗酸化など以外に抗う触作用(虫歯菌ストレプトコッカスの形成抑制・・要は虫歯になりにくいこと)抗発癌作用(緑茶の皮膚癌など他の臓器の発癌抑制)、抗菌、抗ウィルス作用(私は風邪の時お茶でうがいをする)。
タンニンは抗酸化性においては、ビタミンEやフラボノイドよりもその作用が強いという。
さきほどから抗酸化、といっているが、なんで大事かというと、本来酸素とは猛毒である。
その酸素を取り入れてエネルギーとしている生物の宿命が酸化所謂「錆び」である。特に酸素の通り道である血管は酸化鉄により赤く成っているように、一番「錆び」やすい即ち劣化し易いということである。特にマクロファージなどに含まれる、活性酸素は細胞を傷つけたり、コレステロールと結びついて動脈硬化の原因でもあり、この酸素からいかに逃れるかというのが抗酸化である。より強力な抗酸化を求めて研究が続いている。
いつまでも若々しい肉体、これを保つ食物が以外と周辺にあったのだ。
「豊かで健康的な食文化、和食」食文化史研究家 永山 久夫
『和食の基本的な組み立ては「一汁三菜」である。室町時代に、武士の作法に伴って生まれた、本膳料理の基本も一汁三菜であり、江戸時代から昭和30年代までの平均的な献立も「一汁三菜」であった。主食の「ご飯」の他にみそ汁がつき、三種のおかずが添えられるという意味。主菜は、煮魚や焼き魚、刺身などのように動物性蛋白質系。副菜の一つは、里芋や大根、昆布などの煮物類、副菜の二つは納豆、豆腐、おひたし、酢の物などとなる。
料理の材料は、季節の物を中心として、必要以上の人手は加えないで、持ち味を生かす。この和食がバランスのよい食事法として世界的に注目されている。
日本人は、ネバネバした食感を好む。その代表が納豆である。ついこの間まで「苞(つと)納豆」と呼んでいた。「苞」は万葉集にもでてくるが、ワラで作った容器のこと。その中にクリや胡桃、里芋などを入れておみやげに用いた。
苞に煮豆を入れておけば、納豆になる可能性は高い。ワラ一本には、納豆菌がほぼ100万個も付着しているからだ。「納豆」の文字が登場するのは平安時代からであるが、普及するのはずっと遅く江戸時代になってからだ。忙しい江戸っ子の朝食に不可欠だった。最近、納豆のネバネバに含まれているナトウキナーゼが血栓を防ぐ作用で注目されている。
テンプラや蒲焼、にぎり鮨などを生んだのは江戸時代であるが、明治時代になってから誕生したのがスキヤキである。
明治政府は肉食を積極的にすすめた。日本人の体型が、西洋人に比べて劣っているのは、肉の摂取量が不足しているためという判断である。明治4年刊行の「安愚楽鍋」の中に「牛鍋食わねば、開けねえ奴」とある。この牛鍋がスキヤキの原形である。
スキヤキにシラタキを使用するようになるのは明治の中期でやがてシイタケや麩なども用いられるようになる。
ネギは最初から使用されており、コンニャクやシイタケは、牛肉の脂肪やコレステロールの害を中和する上でも役に立つ。』なるほど食の歴史も文化の匂いが。 |